フォーカシングとは

ユージン・ジェンドリン(2005年11月)

フォーカシング(Focusing・焦点づけ) は、まだ、はっきりしていない、それに合う言葉を持てていない感じと一緒にいる時間を過ごすことです。注意を向けていると、焦点がだんだん合ってきて、うすうすと感じることができます。この心身的な実感を、米国の哲学者で心理学者のユージン・ジェンドリン(Eugene Gendlin 1926年12月25日~2017年5月1日)が、「フェルトセンス(felt sense)」と名付けました。
フォーカシングは、自分の心身的な実感に触れ、その意味をつかみとっていくプロセスとも言えます。アタマで気づいていない、カラダの知恵とやりとりするのです。
注意をからだの内側に向け、特定の状況についてどう感じられるかに焦点を当てていきます。 日常出会うすべての状況は大きいことであれ、ささいなことであれ、ある体のセンス(感じ)をもたらします。フォーカシングでは、この微妙な意味感覚にどうやって注意を向けていくのかを学びます。
  たとえば、外部の研修や講座を受ける部屋に入って、座る椅子を決めたとき、どうしたでしょうか。なんとなく、このへんという感覚で決めたでしょう。アタマで、縦何列、横何列の椅子があるから、何列目にしようと考えたわけでないでしょう。その日の自分の体調や気分で、もっとも快適そうなところを感じたのではないでしょうか。
何となく、というようなあいまいな感じに、「う~ん」と、とどまるようにすれば、次への正しいステップについての感じが生まれます。この点について、人間は多くの知恵を持っており、フォーカシングはその知恵に近付く方法なのです。
それには、からだに注意を向ける必要があります。ここでいう「からだ」とは、皮膚の下の内臓器官ではありません。ほかの人たちや自然とともに生きる私たちのありよう、生きざまを言うのです。

ある気になることについて、のどから胸、お腹にかけての感じに注意を向けていると、アタマで考えたのとは違う情報を得られます。フォーカシングは、体験に関するからだの声に素直に向き合う方法です。心理療法やカウンセリングをはじめとして、教育、セルフヘルプ、能力開発、理論づくりなどさまざまな分野で広く活用されています。 
傾聴とフォーカシングについて
傾聴(リスニング)は、アメリカの心理学者、カール・ロジャーズが提唱した独特の聴き方です。話し手の話を、聴き手が、鏡のように伝え返しながら、まだ語られていない聴き手に感じられる意味も言葉にしていきます。ロジャーズは人格の肯定的な変化が起きる人間関係の特質を、①共感②無条件の肯定的関心③自己一致(純粋性)という聴き手の態度の3条件として示しました。
シカゴ大学でロジャーズと共同研究したジェンドリンは、カウンセリングの成功、不成功の違いを録音から体験過程尺度(EXPスケール)で評定しました。成否は、「3条件」ではなく、話し手の話し方と相関関係があることを見出したのです。「これは、う~ん…」などと、まだ言葉になっていない実感に触れる話し方をしている人は、人格の変化につながる深い体験をしていたのでした。こうした話し方が自然にできる人と、難しい人がいますが、だれでも練習によって身につけることができれば、人間としての成長につながるはずです。その方法としてフォーカシングを提唱したのです。
傾聴やフォーカシングを学び、身につけて、生活や仕事、社会奉仕に生かしたい方は、札幌フォーカシングプロジェクトの例会やワークショップに参加し、体験してみることをお勧めします。「よくある質問」に挙げられている本を読んだり、「初めての方に」でリンクしてある日本フォーカシング協会のホームページをご覧になったりするのもいいでしょう。     

 札幌フォーカシング・プロジェクトについて 

「もっと練習して身につけたい」ー札幌フォーカシング・プロジェクト(略称・SFP)は2001年春に東京で開かれた世界的なフォーカシング教師アン・ワイザーさんのワークショップに参加したメンバーの呼びかけで結成されました。

 産業カウンセラー、スクールカウンセラー、臨床心理士、ソーシャルワーカー、会社員、ケアマネジャー、ホームヘルパーなど、さまざまの市民が、例会に参加しています。フォーカシングに関心があって、体験的に学び、仕事やボランティア、生活に役立てたいという方はどなたでも歓迎します。毎月1回の例会のほか、年2~3回のワークショップを主催しています。

図書貸し出し

 札幌フォーカシングプロジェクトの例会に参加した方には、フォーカシング関係の図書を貸し出ししています。このURLから貸出図書一覧「SFPぶっくリスト」を入手することができます(現在11種類13冊)。リスト中の「ありか」欄に、現在その図書を所有しているメンバーの名前が記されています。借りたい方は、直接当該メンバーに連絡を取って、受け渡し方法等をご相談ください。なお、郵送料が発生した場合は、SFPが負担いたします。

情報受信申込み

SFPから例会やワークショップについての情報受信を希望する方は、以下のフォームに記入して送信してください。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/97f8f1f4715925

 初めての方へ

  ようこそ。例会の概要と、フォーカシングを通じた人生の旅の一コマを紹介します。初めての方は、以下の連絡先にメールを事前に送っていただけると、迎える準備をできるので、ありがたいです。

会の概要

団体名札幌フォーカシング・プロジェクト
連絡先info(A)sapporo-focusing.org  (A)を@に変えて送信ください
例会日時毎月1回、土曜午後1時半~5時
年会費1000円(例会参加2回までは無料)

フォーカシングの旅写真

2年に1回開かれるフォーカシング国際会議。米国西海岸のアシロマ国際会議場で隠し芸大会の練習=2002年

代表あいさつ

 私(上村=写真左)は最初、「もっと感情を言葉で表せるようになりたい」という動機でフォーカシングを学び始めました。いろいろ体験的な学習を重ねる度に、フォーカシングの癒やしや自己成長につながる効果を実感してきました。人の話を以前より、よく聴けるようにもなりました。フォーカシングで大事にする「言葉になる前の意味感覚」を使って「自分の言葉」で書いたり、社会に発信したりできる魅力にもとりつかれてきました。一緒に学びの場でお会いできる日を楽しみにしています。 

 上村英生(かみむら・ひでき) 1985年、ユージン・ジェンドリン著「フォーカシング」初版を読んだ時から、フォーカシングを学び続けている。2001年から札幌フォーカシングプロジェクト代表。2004年にフォーカシング・トレーナー、21年にフォーカシング・コーディネーター。元新聞記者。現在は、家事調停委員、保護司

連携するホームページ

日本フォーカシング協会

国際フォーカシング研究所(TIFI)

フォーカシングin北海道