ワークショップ(WS)

 イメージとトラウマに応用                       

 札幌フォーカシングプロジェクトは5月18、19の両日、関西から星加博之さんを講師に招き、イメージとトラウマケアにフォーカシングを活用したワークショップを開きます。ワクワクするワークで、フェルトセンスがよくわからない方にもやさしい内容です。
 18日は、サカナになるフォーカシング、透明人間フォーカシングなどイメージを中心としたワークをします。さらに、自分の中のさまざまな思いを描画して聞いてもらうポリフォエンスも予定しています。19日は自分自身にも、臨床にも役立つトラウマケアのフォーカシングです。
 定員に達し、募集を締め切りました。
 
日時 5月18日(土)13:00~17:30 19日(日)10:00~17:00
場所 札幌市社会福祉総合センター第3会議室(中央区大通西19丁目)
参加費 両日8000円(日本フォーカシング協会メンバー7800円)、
1日のみ4000円(同3900円)
振込先
・ゆうちょ銀行からの振込当座預金 No. 02790-2-14255 金融機関コード 9900 店番 279  札幌フォーカシング・プロジェクト
・ゆうちょ以外からの振込店番 二七九(ニナナキュウ)当座預金 口座番号 0014255 札幌フォーカシング・プロジェクト

問い合わせ info@sapporo-focusing.org

星加博之さん=写真】現在、武庫川女子大学オープンカレッジなどの講師。昨年まで関西大学専門職大学院講師など。臨床は、病院・企業・教育・私設CRなど。臨床心理士、公認心理師、フォーカシングトレーナー、博士(臨床心理学)

【ワークの概要】
・透明人間フォーカシング…ワークの中で自分自身が透明人間になったら何をしたいかをフェルトセンスで確かめます。
・フェルトセンシング…フォーカサーがある体験の感じを極端な姿勢(例・うつ伏せるなど)で表現。リスナーは自分のフェルトセンスとフォーカサーの反応を見つつ、そこにどのように関わればよいかを探します。ほとんど言語は使いません。
・ポリフォセンス…自分の中にある多様な思いを一つ一つ描画し、それを丁寧にリスニングしてもらいます。
・トラウマ再編クレイワーク…紙粘土を使ってトラウマのケアをします。
・カイロス・フォーカシング…今のフェルトセンスと同様のフェルトセンスを体験した最も古いときにさかのぼり、その経験についてフォーカシングをします。
                  ◇       ◇
 【研究】フォーカシングとは、胸のモヤモヤやノドの詰まり感など「からだの感じ」に注意を向けることです。それにより得られる開放感や意味の獲得を「推進」と呼びます。推進までの具体的な流れや推進のきっかけについて星加さんは研究しました。
 モヤモヤなどのからだの感じは、フェルトセンスと呼ばれ、とらえにくものです。自分の感じから言葉やイメージが浮かんでくるという従来に考え方に加えて、イメージが変化するのを感じていることでも推進が起きることを星加さんは発見しました。気がかりやイメージしたものに対する反応が、「心地よい」時は体験的距離が適切で、優しい感じがします。「ネガティブ」な時は、体験的距離が近く、うっとうしいです。「傍観者的」な時は、体験的距離が遠く、まるで「人が歩いている」かのようです。
 星加さんは、推進のあった5つのセッションと面接記録から、推進に至るステップを研究しました。イメージを浮かべ、①イメージへの反応と語りかけ②イメージと自分の関係への気づき③ポジティブなイメージが自然に生起④ポジティブなからだの変化⑤新たな気づきや意味の発見ーの5ステップです。このうち、④と⑤が推進にあたります。
 衝動的、感情的で自殺企図のある境界性人格障害のクライエントのイメージにフォーカシング指向心理療法を適用したところ、イメージへの反応と語りかけによって推進が生じることを検証しました。
 また、離人性障害のクライエントの二重意識・幻聴をイメージととらえ、それらと対話することにより、解離症状が次第に緩和しました。
 星加さんは5ステップの研究を基に、イメージに視点をおいたフォーカシングの手続きを提示しました。
 1.自分に関連するイメージの想起(体験的距離の想起)
 2.イメージの観察
 3.イメージへの反応と語りかけ(体験的距離の調整)
 4.イメージと自分との関係の確認
 5.推進
 

池見陽さんのワークショップ

“iFocusing” (池見流フォーカシング)への誘い

西洋思想や東洋のマインドフルネスに根付いていく「フォーカシングα」

 池見 陽 

 「フォーカシングα」と「フォーカシングβ」という用語の導入にあたって私が意図したのは、「フォーカシング」という言葉の二重の意味を強調することだった。成功裡なカウンセリングにおいてクライエントが行う「貴重な内的行為」(crucial inner act)を「フォーカシングα」とし、それを伝授するための手法を「フォーカシングβ」と区別した。
 日本でフォーカシングが浸透した要因の一つは、具体的な手法が付随していたからだ。反面、「フォーカシング」と聞くと手法のみが連想され、柔軟性が損なわれてきたのは国際的な動向だ。そこで、「フォーカシングα」を原理として、「フォーカシングβ」を技法として区別することにした。
 意外なことに、E. ジェンドリンは「フォーカシングα」についてあまり言及していない。それは「体験過程」だが、その概念の起源についての言及が思いの外少ない。
 ワークショップでは、「フォーカシングα」=「体験過程」の哲学的なルーツを探求し、「アニクロ」や「シカゴ・スタイル・リスニング」の実践を通してその実際を体験する。西洋思想から東洋に視点を移し、仏教瞑想に基づく「エイジアン・フォーカシング・メソッズ」(観想法・観我法、青空フォーカシング)を紹介する。それらの中で、どのように「フォーカシングα」が機能しているかを検討する。本ワークショップは、「アニクロ」「シカゴ・スタイル・リスニング」や「エイジアン・フォーカシング・メソッズ」など池見が開発した、あるいは味付けした “iFocusing” のバラエティーを楽しむ機会になるだろう。

●日時 令和6年7月20日(土)、21日(日)両日とも10時~17時
●会場 20日は北大学術交流会館(札幌市北区北8条西5丁目)第3会議室、21日は道民活動センターかでる2.7(札幌市中央区北2条西7丁目)1040会議室
●参加費 両日17000円(日本フォーカシング協会メンバー16000円)、1日のみ9000円(同8000円)
●締め切り 7月14日(日) 定員(20日は50人、21日は63人)に達し次第、キャンセル待ち。7月7日までにキャンセルした場合は参加費を返金しますが、7月8日以降は返金いたしません。
●申し込みはhttps://forms.gle/QEBW8ptkQNV6Q79s5
●振込先
・ゆうちょ銀行からの振込当座預金 No. 02790-2-14255 金融機関コード 9900 店番 279  札幌フォーカシング・プロジェクト
・ゆうちょ以外からの振込店番 二七九(ニナナキュウ)当座預金 口座番号 0014255 札幌フォーカシング・プロジェクト
●問い合わせ 主催者の札幌フォーカシングプロジェクト メール info@sapporo-focusing.org へ。

 池見 陽(いけみ・あきら) 関西大学人間健康学部教授、同大学院心理学研究科教授。「心のメッセージを聴く」(講談社1995年)、「傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング」(ナカニシヤ出版2016年)など著書多数

「フォーカシング指向表現アーツ」好評

 「表現アートセラピー」とフォーカシングを統合した、フォーカシング指向表現アーツセラピー(FOAT®︎)のワークショップを2024年1月13,14の両日、札幌市社会福祉総合センターで開きました。講師は、北大学生相談総合センター講師兼カウンセラーの小坂淑子さんです。
 初日は、フォーカシングやFOAT®︎についての解説の後、動きや音、色などに少しずつ触れて、クレヨンや色鉛筆で描きました。「KOL-BE」(コルビー)という人型に自分の身体の感じをあらわし、自分にやさしく接する練習をしました。ペアになって、表現している人を見守りました。
 2日目は、アートを用いたフォーカシングプロセスの特徴について解説。平和で落ち着ける場所について表現して体験をシェアした後、アートを用いた「クリアリング・ア・スペース」という気がかりを置いておく方法を試しました。A4判の封筒を宝箱に見立てて、さまざまの素材で飾りつけし、その中に気がかりを書いた紙を入れました。

 ワークショップの写真と参加者の感想を以下に載せます。


・自分のことに集中できて良かったです。(30代女性)
・安心して取り組めました。先生の語りかけが心地良かったのと、アートを通して自分に触れるってやっぱり好きだなあと思いました。(同)
・感じたものを言葉にするだけではなく、素材を使って具現化できたことがとても新鮮で幸せな時間でした。(40代女性)
・コルビーでは、素材を感覚に合わせてすぐ変更できる自由さや手軽さを新鮮に体験できました。反対に、とりあえず置いてみたものを眺めることでからだの感覚が変化していき興味深かったです。2日目は安全性をとても実感できました。(同)
・自分の感じや他の方の作品と語りを見聞きすることを通して、「流れ」を感じることができ、そこに留まっておく必要もないし、必要であれば戻ってこれることを実感し、安心したのが収穫でした。(30代女性)
・参加者それぞれが異なるものを作っていて面白かったです。(60代女性)
・カウンセリングのようなことに興味ない普通の人が、こういった講座に来るようになったらいいなと思いました。(40代女性)
・自分がアートを苦手とするイメージが払拭され、五感を鍛えるのにもまた行いたい。(30代女性)
・自分自身の感覚をじっくり味わいながら、自分に優しくできる時間でした。(同)
・講師の理論やワークについての様々な説明は、本当に深く理解している人が自分の体験に落とし込んだ上で話されていることが伝わってきました。その説明を聞いているだけでもいろんな気づきが生じ、講師の豊かな才能と誠実さ、力の大きさを感じて尊敬の念と共に、学ぶところがたくさんありました。(50代女性)


過去のワークショップ年表

札幌フォーカシングプロジェクトがこれまで開いてきたワークショップを年表スタイルでまとめました。

  • 2001年4月 SFP結成(3月のアンの東京ワークショップ参加者の呼びかけ)
  • 2001年10月 大澤美枝子さんのワークショップ(ちえりあ)
  • 2002年10月 大澤美枝子さんのWS アドバンスト・リスニング(定山渓)
  • 2003年10月 大澤美枝子さんと村里忠之さんのWS エッジで考える(当別)
  • 2004年10月 大澤美枝子さんのWS やさしいインタラクティブ(かでる)
  • 2005年10月 日本フォーカシング協会コアメンバーの集い(小樽マリンヒルホテル)
  • 2006年2月 大澤美枝子さんのWS(エルプラザ)
  • 2006年10月 アン・ワイザーのWS すべてあるがままに・内側との関係(エルプラザ)
  • 2007年2月 天羽和子さんのWS 子どもとフォーカシング(リンケージ)
  • 2007年8月 前田満寿美さんと伊藤美枝子さんのインタラクティブ・フォーカシング・ワークショップ(北大遠友学舎)
  • 2007年10月 大澤美枝子さんのワークショップ TAE あなたの居場所、傾聴訓練(札幌コンベンションセンター)
  • 2008年3月 土井晶子さんのワークショップ「からだの感覚に開かれていくこと」(札幌市社会福祉総合センター)
  • 2008年10月 井上澄子さんの「からだほぐしからのフォーカシングワークショップ」(北海道真駒内青少年会館)
  • 2009年5月 第21回 国際フォーカシング会議 淡路島に5名参加 
  • 2009年8月 得丸さと子さんのTAEワークショップ(札幌市社会福祉総合センター)
  • 2010年1月 田村隆一さんの「夢のフォーカシング」ワークショップ(北大学術交流会館)
  • 2010年5月 土江正司さんの「フォーカシング・エンカウンター」ワークショップ(エルプラザ)
  • 2010年7月31日・8月1日 日笠摩子さんのフォーカシングワークショップ「フォーカサーに教えてもらう方法」(リンケージ、かでる)
  • 2011年4月 天羽和子さんの子どもとフォーカシングワークショップ(札幌市社会福祉総合センター)
  • 2011年7月 アン・ワイザーのワークショップ(フォーカシングとジェンドリン哲学を一緒に学ぼう・北大遠友学舎)
  • 2011年9月 吉良安之さんのセラピスト・フォーカシングワークショップ(北大遠友学舎)
  • 2012年5月 大澤美枝子さん、傾聴とフォーカシングの基本(帯広・十勝プラザ)
  • 2012年11月 日本フォーカシング協会フォーカサーの集いin札幌(北大学術交流会館)
  • 2013年4月 大澤美枝子さん、リスナー&ガイドの訓練プログラム(札幌市社会福祉総合センター)
  • 2013年11月 大澤美枝子さん、リスナー&ガイドの訓練その2、教育フォーカシング、公開スーパービジョン(札幌市社会福祉総合センター、札幌市リンケージプラザほか)
  • 2014年6月 池見陽さん、フォーカシングの源流と基本ワークショップ(かでる、札幌市社会福祉総合センター)
  • 2014年8月、得丸さと子さん、TAEワークショップ(札幌市社会福祉総合センター)
  • 2015年5月 森川友子さん、身体症状とフォーカシング(かでる)
  • 2015年9月 大澤美枝子さん、伝え返しで聴くからだをつくる(札幌市社会福祉総合センター)
  • 2016年3月 大竹直子さん、「自己表現ワークシート」を使ったワークショップ(かでる)
  • 2016年9月 諸富祥彦さん、インタラクティブフォーカシング(かでる)
  • 2017年7月 末武康弘さん、プロセスモデルと多元的セラピーのセミナー(かでる)
  • 2017年10月 堀尾直美さん、感情とニーズのポーカー、日精研ベーシックの圧縮版(かでる)
  • 2018年7月 堀尾直美さん、話し手に教えてもらう傾聴、カードやアートで感じて表現(かでる)
  • 2018年10月 村山正治さんの「私を語る」講演とビジョンワーク、PCAJIP(かでる)
  • 2019年6月 竹田悦子さんの「フォーカシングの基礎と産業メンタルヘルスへの応用」ワークショップ(かでる)
  • 2019年8月31日、9月1日 得丸智子さんの「TAE」ワークショップ(社会福祉総合センター)
  • 2019年10月 土江正司さんの「フォーカシング・サンガ」(社会福祉総合センター)
  • 2021年6月26日、27日 日本フォーカシング協会年次大会兼フォーカサーの集い@ズーム
  • 2022年10月9日、10日 矢野キエさんの「コラージュとフォーカシング」ワークショップ(かでる)
  • 2022年11月5日、6日 岡村心平さん「『問いかけ』からフォーカシングを学びほぐす」(かでる)
  • 2023年6月17日、18日 内田利広さんの「フォーカシング指向心理療法の基礎」ワークショップ(かでる)
  • 2023年9月9日、10日 酒井久実代さんと市川洋子さんの「インタラクティブ・フォーカシング」(社会福祉総合センター)
  • 2024年1月13日、14日 小坂淑子さんの「フォーカシング指向表現アーツ」(社会福祉総合センター)