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コラム

TAE研究会の会誌創刊

TAE研究会が、会誌を創刊しました。

 ジェンドリンのTAE(エッジで考える)の普及に約20年間努めてきたTAE研究会が、会誌を創刊しました。同研究会のホームページから無料で入手できます。フォーカシングやTAEを広く知ってもらう拠点になりそうです。
 15人が寄稿。「TAEという一つの思考法が、趣味や日常生活での気づきから、いわゆる学術研究まで、幅広いテーマに適応されていることに気づかれるでしょう」(得丸智子さんの巻頭言)。
 札幌フォーカシングプロジェクトの西岡良洋さんは「詩作と思索における『ブランク』の活用ーTAEをふだんづかいする一つの方法」を寄稿しました。ブランクの活用とは、ざっと文章を書き留めていって、大事だけれどいまく言えないところを「  」にしておく方法です。いったん筆をおいて、その場所を感じながら、ゆっくりと丁寧にいくつか言葉を出してみる。しっくりこなければ、取り下げて、またその場所へと戻る。そうすると、「言葉から出て、言葉へと出る」ことを実践できると述べます。
 村里忠之さんは「ゲーテのTAE」と題して、「ファウスト」の中でTAEと同じことを主人公がしていると指摘。「神なき時代の導き手として私たちは自分の身体知に頼らなければならないようである」と、TAEの可能性に言及しました。
 末武康弘さんは「TAEと俳諧」と題し、芭蕉が「匂付け」と呼んだ「匂い」とはフェルトセンスであるとし、TAEとそこで体験されるプロセスの価値を強調しています。
 諸富祥彦さんはインタラクティブ・フォーカシングにTAEの超短いバージョンを取り入れた実践を紹介し、体験のエッセンスを捕まえて、文にすることで、聞き手の言語化の力量アップにつながると勧めました。