ジェンドリンの哲学の主著「プロセスモデル」の刊行を記念した特別シンポジウムが2月23日、オンラインのズームで開かれました。
全国から124人が参加。シンポはユーチューブで公開されています。
本は著者割引で定価より1000円安い6500円送料込みで買えます。希望者は氏名、住所、電話番号を書いて末武康弘さん(suetake@hosei.ac.jp)にメールを送ってください。
日本語に訳したのは、末武康弘さん(法政大)、得丸智子さん(開智国際大)、村里忠之(宮カウンセリングルーム)さんの3人です。18年間かけて共同で翻訳してきました。
司会の諸富祥彦さん(明治大)が読後感として「われわれが日々の小さい仕事に心をこめてやっていることの意味を実感できる本。日々の小さいことが人類の進化につながっている。とても大きな視野の中に位置づけできる」と話しました。
1章から6章までを訳した末武さんは、「原著は20世紀末の1997年に本の形で初めて公開された。19世紀末の1897年にはフロイトが催眠カタルシス療法を断念し、自由連想法を適用した」とこの日朝思いついたことを語りました。ジェンドリンは、20世紀末に身体、自然からシンボルや文化、人間的営為への発展の軌跡を描いたというのです。この本の一番の魅力は「身体と自然の復活」。時間について、最初に時間があるのではなく、生命が生きることで時間と空間が生まれるという理論を提起。確かに、私たちが死ねば、私たちにとっての時間はなくなります。
7章を訳した得丸さんは「この本にあるTAE(エッジで考える)を使えば、私たちも直接照合体からさまざまのものをつくれる。楽しい本。飽きない。どこから読んでもわからないが、わかると、どこを読んでもわかる」と述べました。
8章を訳した村里忠之さんは「自然から出発し、自分を取り戻す本だから読んで楽しくなる。知識を伝達している本ではない。難しいけど、自分の何かに触れて、細胞が生き生きしてくる感じ」と語りました。
泉屋さんの句が全国放送
札幌フォーカシングプロジェクトのホームページの「ちょっと俳句ing」主宰者・泉屋昌平さんの作品が3月5日、NHKEテレの「NHK俳句」の入選作として紹介されました。
「凧合戦 首の痛みを あとまわし」です。泉屋さんはNHKでこれまで佳作には入っていましたが、入選作になったのは初めて。
NHK俳句は全国から寄せられた投稿句の中から優れた作品を各週の選者が選び、入選句として作者名とともに紹介しています。
今回の選者は高柳克弘さんで、お題は春の季語「凧(たこ)」でした。
高柳さんは泉屋さんの作品を「凧が一番の優先事項だという気迫が伝わってくる」と評しました。ゲストで、ドラマ「相棒」などに出演する俳優の鈴木砂羽さんは「共感しかない」と話しました。
だれもが共感できる作品という点では、フォーカシングと相通じるものがありそうですね。
泉屋さんは道新文化センターのフォーカシング入門講座の中でも、フォーカシング的な俳句について指導をしています。
内田さんのワークショップ6月17、18日
龍谷大教授で、日本フォーカシング協会前会長の内田利広さんを招いたワークショップを6月17、18日にかでる27、540会議室で開きます。
初日は午後、2日目は午前と午後です。内田さんは京都教育大で長く教えて、退官後、龍谷大に移りました。フォーカシング指向心理療法や教育相談の研究でも知られています。詳しくは以下のページをご参考に。
今年のワークショップ
札幌フォーカシングプロジェクトは、2022年に二つのワークショップを計画しています。
矢野キエさんによる「フォーカシングとコラージュ」を10月9日(日)と10日(月祝)、札幌市の道民活動センターかでる27で開きます。矢野さんは「『私』の言葉を紡ぐ フォーカシングとコラージュ」という本=写真は表紙の一部=を出版したばかり。フォーカシング的なコラージュの制作、鑑賞のほか、オトマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)を使った感じの表現など、感じることのワークや、ジェンドリンの理論も説明してくれます。大阪キリスト教短大幼児教育学科教授で、臨床心理士、公認心理師です。
岡村心平さんによる「なぞかけフォーカシング」は11月5日(土)と6日(日)に同じく、かでる27で開きます。フォーカシングの本質はアスキング(質問)にあり、という岡村さんは、日本独自の言葉遊びであるなぞかけの問いをフォーカシングに結びつけました。交差などジェンドリン哲学を深める説明もしてくれるでしょう。神戸学院大講師で、臨床心理士、公認心理師です。
コロナでオンラインや延期にならないことを願っています。
俳句:<春>のお題を公開しました
「春」のお題を公開しました。これから6月第一週までの期間、これらのお題(含む「自由」)でいってみたいと思います。
今冬は積雪多く、春の訪れがいかにも遅れそうですね。まぁ毎度のことながら、急ぐことはありません。「そんな気分」になったとき、ちょいとひねってみるくらいでいいです。
例によって皮切り三句載せてみました。最新句の「炭小屋」は「たんごや」です。正式には「石炭小屋」ですが、「たんごや」としか聞いたことがありません。そこによく猫が住み着いて繁殖するんですね。子供の頃、ストーブにくべる石炭をバケツを持って夜取りに行くと、いきなり「ふぅ〜っ」とか「しゃぁ〜」とか威嚇されて、こわごわ中を覗くと、奥の方に光る目が4〜6つ。スコップで取り出す石炭に猫の糞がついていることもありましたなぁ。ではどうぞ〜